原発は本当に雇用を生むのか?働いて分かった原発の闇…


ワシです、今日はタイトルのように原子力発電所の黒い部分について書いていこうかと思ってる。
ご存知のように東日本大震災による福島の原発事故があって以来、世論では原発再稼働を巡って多くの意見がある。

 

電力会社としては早期の再稼働を望んでいるがなかなか進んでいないの実際やな。
今回は再稼働に賛成の意見の中から「原発は地域経済の活性化・雇用を生む」という意見を取り上げていくで。
実はワシ、震災の1年ほど前に原発で働いていたことがあるんやけど、当時の原発作業者の実態はなかなかに闇が深いものやったんや…
当然震災以降は変わってると思いたいけど、実際に経験した立場から地域経済の活性化・雇用の創出に関して書いていくで。

工事現場のアルバイト?驚くほど簡単に仕事につけた


ワシが原発作業員になったきっかけは当時アルバイトをしていたバーを辞める際に、常連のお客さんに紹介してもらって働くことになったんや。
その時は次の仕事を探すつなぎとして働くつもりやったのと、原発の中はどうなってるのか少し興味もあったからな。

後日紹介してくれたお客さんに雇用主との面接があるということなので履歴書を書いて面接に…
ところが行った先は普通の民家、事務所とかではなく普通に居間で面接を受けることに。
仕事内容は原発の定期点検に伴う配管工事・足場作りということで、簡単にいえば鳶の仕事がメインになるらしい。
そんな経験はなかったがとりあえず働いてくれということで面接終了。
正直この時点でかなり怪しいのは分かっていたが生活費も危ない…背に腹は代えられないということで翌週から働くことにした。

今思えば原発で働く人間をこんな簡単に決めていいのか?という疑問もあるが。
とはいえこうしてアルバイトでも珍しいほど簡単に働くことが決まってしまったのであった。

この時面接を受けたのがA株式会社というところで、ワシはA社の社員ということになった…はずだった。

いざ働くも、不穏な空気…


images

出勤初日、原発までは車で30分ほどの距離だったが、どうも基本的にはA社の車で乗り合わせで向かう形になるとのこと。
近場のコンビニで拾ってくれるということなので便乗することにした。
ワンボックスカーでワシも含めて6人やったと思う。
この中には面接をしたA社の社長(親方)もいて、現場でも一緒に仕事をするらしい。

ところが原発まであと10分というところで他社の駐車場に入る…
そこで車を降りて今度は原発のシャトルバスに乗り継ぎすることに。

バスの中にはB社という別の会社の作業員が20人ほど乗っていた、どうも今回の定期点検の仕事はB社と連携して行うらしいと聞いた。

その後原発内に入る前に警備員によるチェック、金属探知機のゲートなどを経てやっと入場することができた。
初日は原発で新しく働く人向けの講習や、IDカードの作成(免許センターみたいな感じ)、簡易的な健康診断を受けて終了。

IDカードも発行され、受け取ったのだがおかしいことに気付いた…
カードには自身の所属している会社名が記載されているのだが、これがB社なっていたのである。

ワシ自身はA社の人間のはずなのに…
気になって社長に確認したところ今回はB社と連携して作業するから便宜上そうなっているとのこと。
その場はそういうもんなのかと思いを、この日は昼過ぎに帰ることになった。

健康診断で分かったピンハネの実態


 

帰りに社長から「病院での健康診断も必要やから帰りに受けに行くように」

といわれたので指定された病院で健康診断を受けた、担当の先生に話が通っていたようで原発作業員ということも知っていた。
会計の際に健康診断の結果を送付するので所属する会社名を教えてほしいといわれた。
ワシはこの時A社B社でかなり迷ったんやが

 

受付の人に「原発のIDカード持ってますよね?そちらに書いてませんか?」
と言われ、なんやかんや結果的にB社の名前を書いたんや。

 

それから数日後、夜に社長から電話がかかってきて罵声とともにこの件について問い詰められた…
その結果分かったのが実はワシの働いているA社は形式上は今回の定期点検工事に参加していないというものだった…

 

そもそも原発の定期点検は3か月ほどの期間をかけて行うものなんやが、その期間だけかなりの人手が必要になってくるわけや。
ところが電力会社で普段働いてる人間だけでは手が足りひん。
結果として定期点検の期間だけ協力会社として下請けを雇い、人手を確保してるわけや。

 

その協力会社がさらに下請けを雇ったりしてるわけや。
当然定期点検に参加している協力会社は届けを出して参加するから大元の電力会社は全体で何社に下請けを出しているかは把握してるんやがな。

 

ところがワシの働いていたA社というのはこの協力会社ではないということが判明した(笑)
要は協力会社のひとつであるB社が人手が足りないというのでA社の人間を形式上はB社の社員であるということにして働かせていたということや。

大元の電力会社からすれば正規の下請け先であるB社、その中の社員がワシといういことになり問題はないわけやな。
ところがお金の流れで見るとB社からA社に人件費が支払われ、そこでピンハネされた後ワシを含むA社の社員に給料が支払われる構造になってるわけやな。

こういうのを「人夫出し」というらしいが。
このことを理解したのはまた少し後になるんやが…

 

つまり面接があまりにも簡単だったことや、IDカードがB社の記載になっていたこともこれで説明がつくということやな。

 

あとあと知ることになったが原発に近い地域ではこのような人夫出しをするところもかなり多いそうや。
まぁ人手を集めて協力会社の人間として働かせるだけでピンハネできるわけやからボロい商売やわな(笑)
大元の電力会社からしても形式上は問題ないわけやし、実態は知っているが見てみぬふりってとこかな。

 

 

確かに雇用は生まれるが正規雇用はごく僅か?


原発という施設によってそれを管理・運用するための人手、それらを軸にした間接雇用という点では確かに雇用を生みだすのは理解できる。

しかし原発の仕事で人手が必要なのは新規の建設時と定期点検がほとんどであって、実質的には定期点検の際になる。
定期点検は3か月ほどで終了するのでそれが終われば次は別の原発の定期点検に参加するという形になってるんや。

 

ワシが働いてたのは関西の北部、まぁ福井県の原発地帯やな。
この付近は定期点検のローテーションが上手く仕組まれていて大飯・高浜・美浜と順番に定期点検が来るようになっとた。

結果的に約3か月ごとに働く場所が変わることになるが年間を通して仕事がある状況やったわけや。
人によっては九州の方で働いてたが定期点検が終わって仕事がないからわざわざ福井まで来てる人もおったぐらいやしな。

 

ただ仕事・雇用を生むといってもその実態は非正規労働といっても過言ではない。
正規雇用で考えれば圧倒的に少なくなるんやな。

原発の定期点検で正規雇用の人間といえば協力会社の規模にもよるがごく僅かといってもいい。
要は現場で働く人間は人夫出しでいくらでも手に入るわけやから…

結局は管理職の人間が正規雇用として働けるわけやけどそんな人数は必要ないのはお察しやな。

原発は不安定な雇用を増やし、依存させることで共存している。


 20120616-9

最後になるが、原発の雇用は正規雇用を除けば実態は不安定な雇用といえる。
確かにワシのように震災以前は簡単に働くことができる仕事やったかもしれんがな。

ただその裏には人夫出しのような黒い部分もあって一部の人間が利益を得ているのも事実で、また定期点検の間隔がずれてしまえば仕事がなくなくる可能性もある。
震災以降の状況は不明やが、原発停止に伴って定期点検の仕事で食っていた人は職を失っているやろう。

 

ここでワシが思うのは「原発は雇用を生み、地域を活性化させる」というのは覚醒剤のようなものではないかと思うんや。
要は原発が稼働しているうちは雇用もあり、それを軸に他の産業にも恩恵があるかもしれん。

ところがその環境に依存していくうちに原発がなければ成り立たない状態に陥っていく…
原発が止まればその地域の人達は対応できない、結果として多少安全基準の審査をクリアしていなくても再稼働を求める声が出てくる。

雇用の面だけでなく、原発周辺の地域には原子力立地給付金という制度もあることからなおさらかもしれん。

ワシ自身原発再稼働に反対か賛成かで聞かれればかなり迷うのが本音や。
経済的に言えば原発停止に伴う電気料金の値上げは一般家庭だけでなくて製造業なんかにも多大な影響があるし、かといって原発が動けばもとの値段に戻るのかも怪しい。

安全面に関しては地震だけでなく、ワシが経験したように雇用のシステムの問題。
そこからのテロ・工作活動もありえないとは言えないわけや。

原発に関してはワシが知らんところで大きな利権があるやろう、安易に賛成・反対というだけでなく、実態をもっと知らなけば判断できないというのがワシの個人的な意見やな。



Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.