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原子力発電所で働いてエライ目にあった話「第九話 車内ニート」
目次ズイ₍₍(ง˘ω˘)ว⁾⁾ズイ
新たな始まり
親方に全てを話した翌日、私は仕事に向かったズイ
やれるだけの事をやろう
そう心を決めて乗り合いの車を待った
しばらくして親方が運転する車が現れた、
なんだろう?
少し戸惑ったが親方の方に向かった
親方は他の同乗者に聞こえないよう小声で
「
なるほど、同じブラック工業のFA親父は社長と長い付き合い…
他の××
私は頷き、後部座席に乗った
同じく後部座席に乗っていたFA親父から
「昨日なんかあったん?」
と聞かれたが、体調が悪くて病院に行っていたと誤魔化したズイ
FA親父とはなるべく距離を置こう、
親方の気遣い
原発に着き、
そしてそれは私への気遣いでもあったようで、
私は変わらず親方の下で働くことになった、
「
と言ってくれたズイ
こうして私はブラック工業の社員ではあったものの、これから先×
更にありがたかったのが翌日から親方の嫁さんが私の分の弁当を作ってくれ
生活費が心許ない私にとって昼飯代が浮くことは非常に助かったズ
毎日作ってくれた弁当はとても美味しかったズイ、
せめてものお返しにと昼飯を食べた後は二人分の弁当箱を綺麗に洗
穏やかな日々、現れた異変…
気付けば親方の下で働くこと数週間、
しかしブラック工業で働いてたときのようなプレッシャーも無く、
徐々に色んな仕事も覚え、
幸い足場の仕事はブラック工業での経験が有ったので要領は分かっ
少しでも役に立てるように進んで手伝いや資材の運びを手伝い、
しかしそんな中、私の体に異変が起こり始めた…
ある日鉄パイプを運んで階段を登ろうとした時に一瞬右膝にビリっ
何事か!?と思ったがその場はすぐに痛みは消え、
しかしその翌日から徐々に症状が悪化した…
数日後には何も持っていない状態でも階段を昇る度に痛みが走った
ここまで私に世話を焼いてくれている親方に少しでも恩を返したい
そんな想いの中でなんとか我慢しながら働いていたが症状は悪化す
そんな私の様子に気付いたのか、親方はある日
「今日はもういいから病院行け」
と言ってくれたズイ…
この時の私は自分の情けなさ、不甲斐なさがただただ辛かった…
やっと仕事にも慣れて、親方の下でこれから頑張るんだ!
最後の意地とばかりにその日は定時まで働くと親方に告げ、
そして仕事が終わった後に私は病院に向かった
再発した症状、要安静
右膝の痛みに関しては実は心当たりがあったズイ
病院では触診とレントゲンによる診断を受けたが、
症状は「良性骨腫瘍」というものだった…
簡単に言えば膝の骨が通常より出っ張り、
物心が付く頃からスポーツをしていた私は中学に上がる頃に一度同
幸い良性だったので安静にして過度な負荷を掛けなければ問題は無
しかし今後もスポーツを続けたいなら手術で切除することも視野に
高校に入ってからは膝の件もあってスポーツを辞めていた私だった
なんでこんな大事な時に…
そんな想いの中、医者は仕事を休んで安静にするようにと言った
結局湿布と痛み止めをもらい病院を出た私は迷った挙げ句親方に電
話を聞いた親方は今週は休んでもいいから大丈夫そうだったら連絡
私は自分のあまりの不甲斐なさと、
友人
翌日から仕事を休むことになった私はほとんど無気力だったズイ
痛み止めをと湿布のお陰でなんとか普通に歩く分には問題無かった
ただ家の中で呆然と過ごしていたが、
そんな日々を送る中、電話が鳴ったズイ
相手は学校の友人だった
あまり学校の友人と連絡は取りたくなかったのは本音だったけど、
久しぶりに話す学校の友人との会話は私の心を癒してくれた
色々心配してくれた友人に私は自分の現状を少しだけ話したズイ
話を聞いた友人はとても心配してくれたのか、
今思えば人と話すことに飢えていたんだと思う、
久しぶりの友人の訪問は、
久しぶりの外出
気付けば夜、訪れていた友人は
「飯食いに行こうや!」
と言ってきたズイ
少し迷ったものの、ここ数日ろくに飯を食べてなかった私は、
友人は自分が普段バイトしているという焼き鳥屋に連れていってく
お互い酒は飲まなかったが久しぶりのまともな食事と気兼ねなく話
そんな中ふと店内を見渡すと何処かで見たような顔があった…
後ろ姿で今一つ分からなかったが、しばらくしてそれが××
しかしこちらを向くこともなかったので食事を終えた私達は店を後
会計は心配してくれた友人が奢ってくれたズイ、
家まで送ってくれた友人に感謝と別れを告げ、
この日の出来事があんな事になるとは知らず…
誤解と監視社会
診断を受けてから一週間が経っていなかった私は翌日も仕事には
朝起きると痛み止めの効果が切れたのか、
まだ時間がかかるのか…
友人のお陰で少し気は晴れたものの、
そしてまた何をするでもなく時間だけが過ぎ、
電話が掛かってきた、相手は親方だった
ちょうど向こうは昼休憩の時間か、
「おう!!よくもお前やってくれたな!!」
「俺の今までの数十年ぶち壊してどないしてくれんねん!!」
頭が真っ白になった…
電話に出るなり怒号が鳴り響いた、
いきなりの事でパニックになる私になおも親方は怒鳴り続けた
何に怒っているかも分からず、頭は混乱するばかり…
私は恐る恐る何の話なのか質問したズイ…
すると親方は相変わらず怒りながら
「お前仕事サボって遊び回ってるらしいやんけ!!」
「
混乱する頭の中、ひとつの光景が思い浮かんだ
外食に行った際の××工業の社員の後ろ姿だった…
あの時の事を報告されたのか…
でもそれ以外は外には出ていないのに遊び回ってるというのは…
クズオの件を思い出した私は自分に今起こっている事を全て理解し
確かに不用意な外出だった、
しかしそれ以上に話を盛られているのは間違い無いだろう…
そして自分のせいで親方にも迷惑をかけてしまった以上、
しかし電話越しの親方には何を言っても話しは通じなかった…
普段温厚な人ほど怒ると手が付けられないというのはこういうこと
私も徐々に大声で誤解である事を言ったが平行線のまま親方は話を
「誤解は絶対解きます!!明日必ず解きます!!」
私は声を荒げて親方にそう言った、そして親方は
「この期に及んで嘘やったら許さんからな!!」
そう言って電話が切れた
身から出た錆びとはいえ、
この誤解は必ず解く…!怒りにも似た感情の中、私はそう心に決めた
ブラック労働記 原発編 Season2
次回
ブラック!ご期待下さい!